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商品+αの価値を提供する!先代から受け継がれた、常に新しいことに挑戦し続けるチャレンジ精神や時代の先を読む力とは。

現在の業態になるまで、試行錯誤で時代を乗り越えられてきた、(株)赤坂ユニベイスさまにお話を伺いました。

 

―■事務局:はじめに会社の創業について教えてください。

―■赤坂 香津緒 専務取締役 (以下、赤坂):
 1968年に私の父が創業した会社です。父は終戦後の食糧も不足しがちな時代に生まれました。その影響で生まれながらに体が丈夫ではなく、運動することよりも絵を好んで描いていたみたいなんですね。そこで着物の絵付けの仕事をしたかったらしいのですが、色盲が発覚して挫折をし、結局ジュエリーの工房に丁稚奉公をすることになったんです。それがきっかけでジュエリー業界に足を踏み入れ、独立をしたという経緯です。独立初期は、下請けという立場もあり、苦労が絶えなかったみたいです。そんな時に、ジュエリー業界にキャスト※の製造技術が入ってきました。「キャストは大量生産できても、質は手作りには敵わない」というのが当時の風潮だったのですが、父はキャストの良さと手作りの良さの融合にチャレンジをし、独自のキャストを製造するサービスを始めました。そして店先にジュエリーではなくキャストの枠を並べて、業者が欲しい時に買いに来るといった販売形態を確立、バブルの時代はこれがかなり売れたようです。

※キャスト:ジュエリーの鋳造方法のひとつ。一つの原型により複数の製品を作ることが出来る。

―■事務局:
元々卸・メーカーとしてスタートされたとのことですが、現在は小売の事業も行っていますよね?

―■赤坂:
 今でこそ、卸をしながら小売もする業態は当たり前ですが、当時は「卸をしながら小売もするなんてあり得ない」と社内外から反対の声が上がりました。しかしながら父は反対を押しのけ、先駆者として、時代の先を読みながらチャレンジしました。その精神は今の社風にも根付いており、バブルの時代が終わり、世の中にジュエリーリフォームのニーズが増えて来た時も、いち早くジュエリーリフォームの講習会を行ったり、小売店がリフォームを行いやすいようにサンプルセットの販売をしました。これが先駆けとなり、現在の全国の小売店向けの事業になっています。

―■事務局:取り扱い商品の中で「パール」を推されていると思うのですが、どういった経緯ですか?

―■赤坂:
 リフォーム・リペアの時代も落ち着いてきた5年程前に、香港の展示会に視察に行きました。その時、日本のパールへの注目度を目の当たりにしました。世界をマーケットに見据える中、50年近く培ってきたジュエリー製造のノウハウを活かし、今後はパールジュエリーを主力の製品にできないかと考えました。元々ビジネス以外でお付き合いのあった伊勢志摩のパール屋さんに全面協力をしていただき、品質が高いアコヤ真珠のジュエリー製造が実現しました。

―■事務局:海外市場を視野に入れて、パールの扱いを始めたということですね。ブースに外国人のライブ販売バイヤーの方がたくさんいる光景をよく目にするのですが、どのような工夫をされていらっしゃいますか?

―■赤坂:
 海外、特に中国人のバイヤーさんは貪欲で、「売り手」として信用を勝ち取るために商品に対する知識ならどんなことでも吸収しようとします。画面越しに売らなくてはならないので、目利きが必要なんです。よってパールに関する知識を学ぶ機会などを提供しています。商品+αのことをすることで、うちと取引きをすると良いことがあるなと思って頂く工夫はしていますね。

―■事務局:パールの表面の美しさだけではなく、作られるまでの過程など裏側もお伝えしていると。
そのような工夫で数多くの企業の中から選ばれられているんですね!

―■赤坂:
 実は僕自身も、裏側を知ってから、宝石よりパールが好きなんです。パールが人の手によって作られるものだからなのか、埋まっているものを掘って研磨する宝石とはまた違った魅力があります。関わる生産者の方の努力や、良いものを作ろうという意図によって生み出されるものなので、愛着が生まれるんですよね。

―■事務局:それでいうと、商品のデザインも素敵ですが、デザインはどのように生み出していますか?

―■赤坂:

 まず徹底的にSNSチェックです。新鮮な情報はユーザーの声や、消費者が発信している情報から把握する感じです。でもデザインは売ってみないと最後までわからなかったりするので、売ってみて、お客さんの反応を見てということもあります。また、展示会もコミュニケーションの場として最大限に活用をしています。

―■事務局:毎回、展示会では趣向を凝らしたブース作りをされていますよね。

―■赤坂:

 ジュエリーの展示会は、現場でそのまま商品を売買するので、単純に「売り場」になりがちですよね。他業種の展示会を見に行った時、ブースの作り方や表現の仕方に新鮮さを感じて、ジュエリー業界ならどういうことができるかと考えるようになりました。これも一種の商品+αの提供ですね。過去には職人を会場に呼び、パールの選別をするパフォーマンスや、パールの鑑定を行ったこともあります。

―■事務局:今回のIJKでもなにかご用意をされていますか?

―■赤坂:

 最近はコロナの影響で制約などもあり、ブースでのイベント開催や講習といったことができない傾向にありますが、単なる購買体験以上のものを提供しないとだめだなと思います。皆様に色んな意味でご満足いただけるホスピタリティーを届けていけたらと思っています!


<お話を伺った方>
(株)赤坂ユニベイス 専務取締役 赤坂 香津緒 氏
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※このインタビューは2022年5月13日時点のものです。

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