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太古の昔から人類が大切にしてきた宝石を守る!ネイティブアメリカンの伝統と文化を未来へ。

ターコイズを専門に、ネイティブアメリカンジュエリーを取り扱う(株)NUKUMIさまにお話を伺いました。

 

―■事務局:どのような経緯でターコイズを専門に扱うようになったのですか?

―■温水 千穗 代表取締役社長 (以下、温水):
 ネイティブアメリカンの友人たちに「自分たちのジュエリーやアートを日本で販売して欲しい」とお願いされたことがきっかけです。話は遡りますが、幼少期の遊び場の近くの貝塚で縄文土器がよく見つかっていて、子供ながらに大昔に人の暮らしがここにあったことにロマンを感じていました。縄文文化は滅亡してしまいましたが、同じ時代からあるネイティブアメリカンの暮らしは破壊されることなく今も続いていて、一万年以上続くその暮らしに興味を持ちました。

―■事務局:それでネイティブアメリカンについて学び始めたんですか?

―■温水:
 そうです。文化人類学を学び、アメリカ南西部に暮らすネイティブアメリカンのナバホ族のもとに数カ月滞在をして、彼らの伝統的な暮らしや文化を論文にしました。その時に知り合ったナバホ族が、今の会社を立ち上げるきっかけです。自分が宝石を販売することになるなんて、思いもしていなかったです。

―■事務局:ナバホ族にとって、ターコイズはどのような石なのですか?

―■温水:
 ターコイズは人々を見守る空が、地中で姿を石に変えた「空の石」と呼ばれています。ネイティブアメリカン最古のお祈りの石であり、儀式で必ず身に着ける神聖で大事な石です。ナバホ族だけではなく、多くのネイティブアメリカンの部族が大事にしてきた石でした。

―■事務局:ご自身がターコイズを販売することになるなんて思いもしていなかったとのことですが、どうしてこの商売を始めることに?

―■温水:
 ネイティブアメリカンの長きに渡る素晴らしい文化・アートを守りたいという思いです。昨今、ターコイズ鉱山の閉山が相次ぎ、価格が高騰、ネイティブアメリカンにナチュラルターコイズが渡らなくなっています。まだ採掘できる鉱山があるので、私はいつかそれを保有し、彼らにターコイズを戻してあげたいと思っています。
 ただ、ターコイズは彼らにとってとても大切な石なので、ターコイズをビジネスで扱うにあたり、部族の祈祷師に相談をしました。「自分たちが大事にしてきた石だから、誠実に扱ってほしい」と言われましたね。

―■事務局:ネイティブアメリカンは、どのようにターコイズを身に着けているのですか?

―■温水:
 ターコイズは多孔質なので柔らかく、固くて耐久性のある宝石とはまるで違く、大抵は矢じりの形にしたものを身に着けていますね。悪いものを避けるという意味です。彼らにとってターコイズは代々受け継ぐものではなく、自分の石をそれぞれ持っています。販売していて面白いのですが、不思議なことに石とお客様が惹かれ合う瞬間を何度も見ました。ターコイズはそんな魅力を持った石です。

―■事務局:ネイティブアメリカンジュエリーもネイティブアメリカンの伝統的なものなのでしょうか?

―■温水:
 シルバー細工の技術はスペインの宣教師から伝わり、そこにネイティブアメリカンは自分たちのアートを取り入れました。それがネイティブアメリカンジュエリーです。制作するための道具は代々受け継がれ、作品にファミリーの味が出ます。デザインには神話モチーフのものが多いです。

―■事務局:扱われている商品の特徴を教えてください。

―■温水:
 まず、ターコイズはナチュラル(天然)であることにこだわっています。出所が確かなものしか仕入れません。次にデザインですが、東京で暮らす女性がファッションの中に取り入れたら格好いいだろうな!という基準で仕入れをしています。女性向けのネイティブアメリカンジュエリーってあまり無いんです。もっとネイティブアメリカンジュエリーを普段の生活に取り入れていただきたいですね。あとは持ち主が幸せになるように、現地で“あること”をしてもらっています。その話は購入して頂いた方だけにお話をさせていただこうと思います。

―■事務局:気になります!秋のIJTではどのような商品を出展される予定ですか?

―■温水:
 もう既に閉山してしまった山から採掘された、今後採れないだろうというレベルのグレードのものは普段の展示会やイベント時には出さないのですが、秋のIJTでは出展をしようと思っています。日本、アジアでビジネスをするにあたってIJTは大事な場所です。ネイティブアメリカンの作品をもっと多くの人たちに届けたいです。

 

<お話を伺った方>
(株) NUKUMI 代表取締役社長 温水 千穗氏
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※このインタビューは2022年9月16日時点のものです。

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