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「素敵」という感覚を大切に。自身の行動力とアパレル時代に培ったセンスで、宝飾業界を元気にしていきたい

宝石の魅力をレベルアップさせるチェーンと世界のトレンドアイテムを取り扱う (株)JFCさまにお話を伺いました。

 

―■事務局:会社立ち上げの経緯について教えてください。

―■坂本 好恵 代表取締役(以下、坂本):
 元々は洋服のアパレルブランドで働いていました。自分が年齢を重ねるにつれ、ブランドのターゲット層との乖離を感じるようになり、方向性を変えようと思ったことが宝飾業界に足を踏み入れたきっかけです。

―■事務局:それでは宝石の知識ゼロから、ご自身でスタートしたということでしょうか?

―■坂本:
 そうです。最初は石の名前も価値も分かりませんでした。そこで、アパレルブランドで働いていた時のツテを使ってジュエリー業界の人たちを紹介してもらったり、JCK Las Vegasのような海外で開催をしているジュエリーの展示会に行きました。海外のジュエリー展では、アジアをはじめ、アメリカ、ヨーロッパを拠点に世界で活動する女社長たちとコネクションを作り、彼女たちからジュエリービジネスを学びました。今でも連絡を取り合う仲です。そんな中、お客さまを作るために日本で展示会に出なさいと女社長たちからの後押しもあって、まずIJKに出展をしました。

―■事務局:日本で商売を始める前に、まずは展示会に出展をしたということですよね?出展する商品はどのようにご準備されたんですか?

―■坂本:
 出展にあたって必要な準備も、どのような商品が売れるのかも全く分からない状態だったのですが、海外のジュエリー展で関係を築いた女社長たちが、ブースの装飾品から商品、スタッフまで全て用意をしてくれました。結果、複数の会社の商品が並ぶ形になったので、面白い商品構成でしたね。

―■事務局:すごいですね!IJKはどうでしたか?

―■坂本:
 ちょうど天然石ブームで、商品構成の毛色が変わっていたいうこともあり、すごく売れました。展示会の後も注文が殺到して、日本全国を飛び回りました。これはジュエリー業界でやっていけるなとその時に確信をし、ビジネスを続けるにあたって顧客作りに力を入れ始めました。

―■事務局:どのように新規開拓をしていったのですか?

―■坂本:
 新参者が宝飾業界に参入するためには、信用を得る必要があります。私は、大手のジュエリー専門店と取引をしていること=信用に繋がると考え、「絶対にその企業と取引をしたい」という強い意志を持って、大手のジュエリー専門店に営業をかけました。私がいたアパレル業界は提案の世界だったので、お店のディスプレイの提案や売り方の提案をしたところ、目新しかったようで、大手のジュエリー専門店との取引が実現しました。

―■事務局:行動力がすごいです。その時は、すでに現在取り扱われているようなチェーンをメインに扱われていたのですか?

―■坂本:
 いいえ。その時は一般的なジュエリーを扱っていました。ジュエリー専門店に何回も営業に行くたびに、この前あった商品がまだあるということが多々ありました。そこで商品の消化率を聞いたところ、持っている時で1年半~2年はザラだよと言われた時に衝撃を受けまして…。アパレル業界は商品の入れ替えが速いので、私にとって1年半~2年はありえない消化率でした。

―■事務局:たしかに高価なものを頻繁に購入できる人は、多くないですよね。

―■坂本:
 そうなんです。消化率が悪いということは、商品に金額を上乗せしていくしかなくなるので、負の連鎖になります。お客さま達も大振りで高価なものは頻繁に買いません。トレンドの商品をもっと仕入れ、お店の陳列を面白くさせてあげないと、いつも変わらない色映えを変化させてあげないと、と思いました。そこで、ゴールドかシルバー、ピンクの3択の地金チェーンではなく、もっと違うものにしてみたらどうだろうか?ということで試し始めました。

―■事務局:それが今の商品のラインナップに繋がっているんですね。

―■坂本:
 今では素材・色ともに多種多様なバリエーションになりました。私は別に地金のチェーンを否定しているわけではありません。地金が売れない時に置いたままにしておいたらデザインが腐っちゃいます。だったら動かす時に動かせば良いという考えです。地金チェーンをうちの商品に付け替えたところ、すぐに売れたという話を聞くと嬉しくなります。業界全体を活性化させていきたいですよね。

―■事務局:なるほど。ジュエリーをより身近に、多くの人が手に取るための宝石の「引き立て役」として、商品を提供されているということですね。

―■坂本:
 結局ジュエリーは石自体の価値がもちろん大事なのですが、それ以上に、身に着ける人の心の満足さを満たすということも大事なんですよね。身に着ける人のコーディネートに合ったもの、生活に合ったものを提供することが必要だと思います。品質・価値がすごいものを購入できる人はごく少数派、多くの人はそうではありません。そうゆう人たちは「これ素敵」という感覚で購入します。私はその感覚を大切にしたいですし、価値だけではなく「素敵」を提案することが広がっていくと、ジュエリー業界はもっと盛り上がっていくのではないかなと思っています。

―■事務局:チェーンの他にも水牛を使ったアイテムなど、世界のトレンドを押さえた商品をいち早く取り入れていらっしゃると思うのですが、どのように扱う商品は決めているのですか?

―■坂本:
 世界にアンテナを張って、情報収集はものすごくしています。以前からお付き合いのあるアジア、ヨーロッパやアメリカの社長たちと頻繁に連絡をとって、世界のトレンドや展示会事情についてヒアリングをしています。お客様には、常に最新のものを最速で提供をしたいです。Tシャツの時もあれば素敵なワンピースを着ている時もある、それが女性ですよね。女性は色々な面を持っているので、どんな場面でも、その時に合ったジュエリーを見つけられるように、色々な商品を提案したいと思っています。

 

<お話を伺った方>
(株)JFC 代表取締役 坂本 好恵氏
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※このインタビューは2022年10月17日時点のものです。

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