「漆塗り×アクリル素材」新しい取り組みで、室町時代から続く日本の伝統工芸を未来につなぐ!
漆塗りを取り入れたジュエリー素材とジュエリーボックスを製造するmisoraさまにお話を伺いました。
―■事務局:初のご出展ということで、扱っている商材について教えてください。
―■佐竹 禎行 代表取締役(以下、佐竹):
伝統工芸である漆塗りを取り入れたアクリル樹脂商品です。京都の漆塗りは室町時代から続いている伝統工芸品として有名ですが、日本固有の文化として国内に留まっている印象です。私たちはもっと多くの方に漆塗りの魅力を知ってもらいたく、世界中の方に京漆のパーツを使って漆塗りのジュエリーを作ってもらいたいと願っています。だからこそ、完成形のジュエリーではなく、新素材のルースとしての提案にこだわっています。またジュエリーボックスも出展します。大切なジュエリーだからこそ、それを保管するものにもこだわったものを使って頂きたいと思い、高価な漆塗りのジュエリーボックスをご提案しております。
―■事務局:元々アクリル素材を扱う会社ということですが、漆塗りを扱うことになったきっかけはどういったことなのでしょうか?
―■佐竹:
当社はプラスチックの成型を行っている会社です。プラスチックに色を付ける場合、成型する前に混ぜることが通常なのですが、色を後付けできないかなと試行錯誤している時に漆塗りに出会い、それがきっかけで漆塗りの魅力にハマりました。
漆塗りは手間をかけるわりに値がつかず、先細りの市場です。また漆塗りは分業で、「下絵を描く人」「塗る人」「蒔絵をする人」「売る人」に分かれているのですが、特に今、売る力が弱いことを課題に感じています。この素晴らしい伝統工芸を未来に残すため、我々が販売網を作れないかと思い、この事業を始めました。
―■事務局:ところで、プラスチック製の漆塗りって珍しいですよね?
―■佐竹:
はい。漆塗りは通常木の上に装飾を施すのですが、木は乾燥に弱く、割れやすいため、海外に持って行くことが難しいです。アクリルの良さは、色々な環境下でも割れないことです。当社がアクリル樹脂で加工することで、漆塗りを世界に広めていきたいと考えています。
―■事務局:漆塗りというと朱色や黒色のお椀のイメージなのですが、色がすごく綺麗ですね。
―■佐竹:
弊社は「表派」の京漆の伝統的な技法を守る漆芸家である四代目 鈴木表朔とタッグを組み、色もデザインも革新的なものを提案します。今はまだ品揃えが多いわけではありませんが、どんどん増やしていきたいですね。図柄や形もオーダー可能です。
―■事務局:IJTへのご出展をきっかけに、この漆塗りのすばらしさを知って頂けると良いですね。
―■佐竹:
そうですね。大学でも漆を専攻している学生がたくさんいるのですが、就職先が無いです。僕らは単に利益を出したくて売るわけではなく、この伝統工芸で生活ができるように市場を作っていきたいと考えています。今回の出展は、その市場を作っていくことが出来るのかというチャレンジです。伝統工芸を知ってもらう機会があまりにも無いので、まずは漆塗りを知ってもらうべく、当日は漆塗りの制作過程を録った動画を流し、美術館のような展示の仕方をする予定です。ぜひたくさんの人に見てもらい、漆塗りの魅力を知って頂きたいです。
<お話を伺った方>
misora代表取締役 佐竹 禎行氏
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※このインタビューは2022年11月24日時点のものです。