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独自の宝石の調達方法を確立!常識を覆すビジネスモデルで宝石業界に革命を

中古のダイヤモンドや色石を元に、仕入れから販売まで一貫して自社で行う(株)貴瞬さまにお話を伺いました。

 

―■事務局:はじめに、どのような商材を扱われているのでしょうか?

―■辻 瞬 代表取締役(以下、辻)
 弊社は2015年に創業し、創業以来、中古品の色石を中心に扱っています。仕入れ、研磨・加工、販売まで全て一貫して行っている会社です。従来、色石の中古は品質評価の基準が無いため価値を見出されていなかったのですが、そこに着目をして、中古の色石を「素材」として扱う独自のビジネスモデルを築きました。

―■事務局:中古の色石を「素材」として扱うとのことですが、詳しく教えてください。

―■辻:
 通常ジュエリーを製作する場合、宝石は産出国から輸入した、新品のものを扱います。また、中古品を取り扱う場合も完成品のジュエリーを新品同様に仕上げて、世の中に還流するケースが一般的です。弊社のように「素材」の状態に直して、新しいジュエリーを作るビジネスモデルを取る企業はかなり稀有であると思います。
 理由としては、宝飾業界は宝石の輸入をする人、研磨する人、枠を留める人、デザイナーと全て分業制のため、間接的なコストがたくさんかかってしまうからです。弊社は上記の作業を全て一貫して行うことで、元値の数倍もの価値を生み出すことに成功しました。

―■事務局:創業のきっかけは、なにかあったのでしょうか?

―■辻:
 元々小売店で修業をしていた際に、東日本大震災があったのですが、その時に宝石屋ってどうしたら社会の役に立つことができるのだろうかと考えました。またこれは震災の前から思っていたのですが、宝石の一部の鉱山は紛争地域にあります。戦争の資金源になりうるものが宝石。我々は宝石を売ることによって、戦争を助長してしまっているのではないかと。加えて鉱山は低賃金や児童労働、人種差別の問題があります。宝石屋として疑問に思うことが長年あったんです。そこで社会的に意味があって、評価されることをビジネスにしたいと思いまして。仕事としてプライドが持てるということが創業のきっかけになりました。

―■事務局:今まで誰もやったことが無いビジネスをイチから作り上げたということですよね?

―■辻:
 そのとおりです。分業制で成り立っている宝飾業界で、仕入れから販売まで一貫して自社で行うようにできるまでは試行錯誤がありました。従来のやり方ではこのような一貫したビジネスは難しいです。この障壁を崩すには、0からビジネスを作り上げる必要がありました。社員はほとんどが未経験で、あらゆるポジションで独自のやり方を確立していきました。ここが我が社の強みだと言えます。

―■事務局:今後のミッションを教えてください。

―■辻:
 宝飾業界は今、斜陽産業と言われています。ただ生き残っていく手段は、新たに鉱山から宝石を掘り起こすことでは無いと思っています。山を削るということは環境破壊です。持続可能ではありません。今ある資源を再利用していくことこそ、宝飾業界の新しい形だと思っています。宝飾業界は既得権益の部分が多いですが、この製造・販売方法を今後の宝飾業界の形にしていきたいです。

―■事務局:IJTは御社にとってどういった場所になっていますか?

―■辻:
 もちろん自社のPRの意味もありますが、中古のジュエリーの価値をもっと広げていきたい思いがあります。中古の色石は現在産出されている宝石よりも価値が高く、コスパが良いです。過去3、40年前に産出された石は今より質が良く、その当時、世界で一番良い宝石を集めていたのはバブル期の日本でした。都市鉱山と言っているのですが、眠っている中古の色石は相当あります。全てを掘り起こすにはある程度の規模が必要です。これを業界挙げて掘り起こし、世界に広げていこうよと思っています。

―■事務局:いつもブースの仕様が楽しみなのですが、今回のIJTに向けて来場者の方へ一言お願いします。

―■辻:
 今回のIJTに関しては、コロナ禍がある程度落ち着いた段階で初めての開催ですよね。我々も新しい宝飾業界を、リーディングカンパニーとしてお見せしたいという思いがあります。そこで今までの中で最も多い製品点数、クオリティも過去最高のものを用意しました。IJTはお祭りのような感じで、ジュエリー業界から活気を出していきたいと思っています!ぜひブースにお越しください。

 

<お話を伺った方>
(株)貴瞬 代表取締役 辻 瞬氏
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※このインタビューは2022年12月12日時点のものです。

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